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とぶわにといっしょに かんこくとあそぼ!

一挿掃蕩 血染山河

あらすじと感想 10 --- 一挿掃蕩 血染山河---

第96話 7月30日 放映

「臣にはまだ12隻の船があります」
李舜臣の自信あふれる報告を受け取った宣祖は、水軍だけでなく陸軍もまた勝てる可能性が低いという元帥クォン・ユルの話を聞き、敗戦の責任を李舜臣に押し付けたい気持ちから、李舜臣に海で戦うことを許す。

その時日本軍は既に全州城に無血入城し、忠清道に向けて進撃を開始した。
朝鮮水軍を全滅させ余裕の日本水軍も、海路を通って陸軍よりも先にソウルに入城する覚悟で、将校達は戦略、戦術を集めはじめた。壬辰年に朝鮮水軍によって兄を失った来島満房は「鳴梁海峡」に注目する。
自分の故郷と似ているこの場所で李舜臣の首をとり、兄の恩讐を晴らすというのだったが・・・

一方、慶山右水師ぺ・ソルの脱営と優勢な戦力の敵に対する恐怖心でざわつく朝鮮水軍。
ついに丁酉年9月16日、敵に一番有利な時間に合わせ、朝鮮水軍は出陣する・・・!


<とぶわにの感想>
今日も見所満載でした。
まず宣祖、李舜臣に対する猜疑心と恐怖心が絶頂に来ているようです。
『臣が生きている限り、恐れ多くも敵はこの海を渡ることはできないでしょう』
この言葉に自分を脅かす李舜臣の陰を拭うことができません。
それにしても、もしも李舜臣がクーデターを狙っていたとしたら、一体歴史はどう変わっていたんでしょうか?全州李氏が支配したこの朝鮮という国は、政治家は腐敗していて、哀れな民衆達は王の庇護を受けられなかったし、おまけにこの戦乱で民心はズタボロでした。
その時に「英雄」李舜臣が新しく治世したとしたら・・・・?
否、李舜臣といえども時に流されたらやはり歴代の王のような過ちを犯していたかもしてません・・。

一方、鳴梁海戦を目前に陣中の緊張は高まっていきます。

ここで刀が登場です。
「一挿掃蕩 血染山河」(一振りすれば その血が山河を染めるだろう)
という刀名を李舜臣によって与えられたこの刀は、今でもアサンの顕忠嗣に収めてありますが。
「刀のうた」の作者金薫氏はこの刀からインスピレーションを与えられたのだと思いますが、私もこの刀を見るたびに、刀からにじみ出る何ともいえない迫力、悲壮感を感じ、その場に足が吸い付けられてしまいそうになるのを感じます。
この刀を差出した李英男は刀名をみて
「染の字がとても深く感じます」と言っていたけど、原作では確認したらキム・スチョルの言葉になっていた。
しょうがないな、ドラマではキム・スチョルは出てきてないし、李英男がいい味だしている(かっこいい)から許しますわ。
とにかく刀というアイテムがこの原作の重要なモチーフとなっています。

そしてぺの親父!また脱営です。ここまで来たんだからどうなってでも李舜臣と一緒に戦ったという事実を作っておけば後々後世に英雄として名が残ったかもしれないのに・・・つくづくお馬鹿なオヤジです。目に見えるものだけで判断しちゃいけないんだなと私も反省。

そして出陣前夜、李舜臣は兵士一人一人に遺言を書かせます・・・
兵士達も見るからに寄せ集めで、李舜臣も苦しかったに違いありません。

脇坂安治・・・いきなり初登場の白い猫は何なんでしょうか?戦場にまで連れてきて膝に乗っけてなでなでしたりして・・・回を追うごとに狂気じみていくのですが、実際はこんな人じゃなかったようです。
「私が一番殺したい人物も李舜臣であり、一緒にお茶を飲みたい人物も李舜臣だ」
という言葉を残したそうです。敵将を尊敬できるアッパレなお人ではありませんか!

そして・・鳴梁に誘い込もうと逃げる朝鮮水軍。追う日本水軍!
狭い海峡の海岸では「待つもの」の姿がありました。
12隻vs130隻、一見不可能と思える朝鮮軍の勝利を現実にした作戦。
それはこの鳴梁海峡に大掛かりな罠を仕掛けていたことだったのです!
朝鮮の板屋船の船底はなだらかなU字、日本水軍の船はV字型になっているのを利用し、海底に大きな鎖をはり巡らせ、タイミングを計って引くのです。
この作戦は「乱中日記」には記述されていないそうすが、朝鮮水軍が勝利するためにはこの方法しかなかったのではないかと言われています。

そしてドラマオリジナルなのは、海岸で鎖を引いているのを見破られないように、女子供達が「カンガンスーレ」を歌って踊りまくるという・・・
カンガンスーレをBGMに逃げて行くのですが「早く!早く!」と手に汗握っちゃいました。
ありえない話かもしれませんが、官民、老弱男女が一つとなったという演出の仕方が感動的でした。



第96話 7月31日 放映

13隻対300隻!しかも水の流れが敵にとって一番有利な時間帯である。
しかし勝算はある。激流に流されないように漕ぎ手達はそれこそ血の滲むような訓練をしたし、朝鮮水軍が準備した、もう一つのカードがあったのだ。

李舜臣は自信満々に13隻の艦隊で一字陣を広げた。これで敵に有利な水流の時間帯から、友軍に有利な水流に変わる時間まで4時間持ちこたえるだけだ。

ところが敵の勢いに怯えた安衛は退却しようとしながらかえって敵に包囲されてしまう。
13隻の1隻も失うことはできない・・・

<とぶわにの感想>

なんとも海戦シーンに今日の放送時間50分を全て使うという熱の入れ込みよう!
しかし飽きさせることなくよく作ってありました。音楽もよかったです。

海岸では時間を計りながらかけた罠を操作していきます。
この鳴梁海戦では水流を掌握した戦いでした。
戦いの行われたウルトルモクは南海からの海流が西海に一気に流れ込む狭い水道で、それも大体6時間毎に潮流が変わり、変わるたびに渦巻きをもたらすという場所でした。(オソロシヤー)

まず日本軍は純流に乗ってやってきて、その勢いで朝鮮水軍を圧倒するつもりでした。ですから朝鮮水軍にとっては逆流で戦闘が開始された訳です。これは朝鮮水軍にとっては不利です。
しかし、時間が経つと潮流が変わります。今度は日本軍が逆流に乗ることになるのです。

罠にかかった日本水軍は船が進まずにびっくりしています。
「のわにぃ!」と驚いた脇坂安治。驚きながら抱えていた猫ちゃんを投げつけます。
白猫ちゃん・・・このために出演したのね。。。

そして「錨をおろせ!交戦する!」と李舜臣の大将船自ら先頭で敵を迎えうちます。
李舜臣達のまさに「捨て身の覚悟」の気迫が伝わってきます。
朝鮮水軍と日本軍のモチベーションの差もあったかもしれません。朝鮮水軍は祖国を守るためにこの一戦はなんとしてでも勝たなければならない、という気持ちだったでしょうが、一方の日本水軍はどうだったでしょうか?長い戦乱で疲れ果ててるのは朝鮮の人だけではなかったでしょう。日本軍の兵士たちも長い間故郷を離れ、大変な思いだったと思います。

そんなこんなで死ぬ覚悟の李舜臣は敵をばっさばっさと倒していきます。
血が飛び散る、ちょっと残酷シーンですが・・・だから14才以下は見ちゃいけないことになているのね・・(うちの子は見てますが・・^^)

安衛、オロオロしています。怖がって命令も出せません。副官であるヨンガプが一生懸命走り回っても安衛はびびるばかり。
ついに李舜臣が安衛の船に飛び移り、安衛の首に刀を突き付け、
「軍法で死にたいか?敵の刀で死にたいか!」(だったかな?)
と言います。安衛に選択の余地はないのです。戦わなければどっちにしても死ぬのです。

「やべ・・・」と気持ちを切り替えようとしたその時、ヨンガプが敵の銃弾を受けてしまいます。
ヨンガプは平民出身で、最初は漕ぎ手隊長として兵士たちをよくサポートしていました。李舜臣が行った閑山道科挙に合格し、憧れの天翼を着ることになったのです。漕ぎ手隊長の時から将校と兵士たちの間を取り持ち、努力家だったことから李舜臣も信頼を置いていた部下の一人でした。
そのヨンガプが最期に
「ナウリ・・・命令を、下して下さい・・・」と言って息を引き取ります。
安衛はヨンガプの目を閉じてあげ、意を決して船員に命令します。
「発砲しろ!一隻も逃すな!」

朝鮮水軍の奇跡的な攻撃。
李舜臣も50才を過ぎた人とは思えない超人的な体力です。何度か窮地に陥りますが、ふっと昔の記憶が頭をよぎります。
足を負傷しながら受けた科挙試験。最初で最後の敗北、鹿屯島。白衣従軍。・・・
そして刀には「一揮掃蕩 血染山河」の文字が・・・
討ち取った敵将の首を高く掲げ、勝利の気運を上げていきます。

その時、水流が変わって、敵の船が逆流に飲み込まれていきます。
焦る日本水軍。退却しようにもどうすることもできない・・・。

そして李舜臣始めとする朝鮮水軍は、この奇跡ともいえる勝利を勝ち取ったのです。


<名台詞、名場面>
いよいよ敵を討つ時が来た。
「生きんとする者は死に、死なんとする者は生きん」
この言葉を胸に将校達の決死の思いです。

元均の腹心だったウ・チジョク「ここを墓場と思って戦います。将軍・・汚名を晴らす機会を与えて下さり、感謝します」

李英男「まだ希望を捨てないと言われた言葉、深く心に刻んでおります。私は、我が水軍の勝利を確信します」

クォン・ユル「敵が目の前にいる限り、軍人のいるべき場所は書斎ではなく戦場であることを悟りました。私がいるべき場所に帰らせてくださったこと、ありがたく思っております」

李舜臣将軍「6年間、共に朝鮮の海を守って来たそなた達が誇らしい。死んでも、生きても我々は朝鮮の名の下に一つだ」

韓国語対訳はこちらから



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